僕の行方


いつからだろうか
僕の前には路が敷かれていた
僕に自分のことを決める権利はない

決められていたのは、
一定の呼吸をすることと、
いまの臆病な僕でいること、
それだけ

ずっと先の未来は
ずっと遠くで光ってて
手に入れるには
月にいくくらいむつかしい

臆病な僕にできるのは、
今この場所で必死にもがいて、
短い両手をいっぱいに広げること、
それだけ

僕の存在を照らしてくれるものが
僕の在るべき場所へと
みちびいてくれる

ゆっくり、ゆっくりと
路は決まってその場所へつづく
僕が僕でいられる、
君のいる場所














title:あゆは
poem:矢吹奈央