冬の花火

冬は最果て
おわりの季節。
雪が降るとは限らないけど。



大丈夫だよ、心配しないで。
白はどこにでもころがっているさ。
雲に月に、息に星。
生きる世界だね 始まりの色。





手に息をかけて、おくれでないかい。
ほんの少しだけ暖めてくれ。
そしたら魔法がかかるんだ。

ホントじゃないけど嘘もまこと。
その笑顔なら信じられるね。





冬の花火。
冬の花火。
はじけて散って、ゆるり とけたら
もう二度とないと言ったでしょ?
ずっとむこうのおわりの空で。
忘れずにいてなんて言えないか。




君はねむる。
しんだんじゃない。
僕はここにいる。
しんだのかなあ。

わかることから白に消えるから。
星を探してまた眠ろうか。




空は群青。
暗闇は瞼。
人に話せば 消えるよう な。



探せ、ここに。
指差しかなわぬ。
あの星の死が冬の花火。






title:あおい
poem:木瀬巡