よもすがら

躊躇いもなしに落ちてきた音に
耳を塞いでしまうほど臆病ではないと
眩むほどに思い続けてはいるのだけど
それは果たしてどこまで真摯だろうか

振り返れば広がる ロストワールド
せめてこの時くらい嘆いても許されるかな
今の僕には大声で叫ぶことすら難しいんだ
(・・描いた大人ってやつはどこに消えた)

覚束ない思考を巡らす根拠は無音のはずが
いつのまにか夢の端にも堂々と蔓延って
眠りを邪魔するなんてとんだ手違い

鳴り止まない雨
温もりに怯えた手と足の先で
描いたのは誰の理想?

夜の闇に軽やかに降り立った子ども
散りばめられた星屑の中に埋まるように
ぎこちないうた、を歌う
それなら僕はその流れる声を拾おう

遠く揺れる日々の笑顔に届けと抱きしめて
おやすみ 優しいまでの子守唄はもういらない













title:翡翳
poem:遠藤さあや