なんのために
何を思って
どうやっていけばいい?
面白いくらいにこの手からすべてが離れていくのだけれど。
・・・あぁそうか。
壊れそうって
こういうことを言うんだ。
+グングニル+
なんでかな。
どうしてこんなにもうまくいかないんだろう。
思うようにいかない。
望んだようにいかない。
「アタマ痛い・・・・・・」
ホームルームも終わり、部活へと向かう途中、子津は顔をしかめながらヘアバンの上から頭を抑えた。
きっとそれを聞いたら、仲間思いの皆は心配して無理にでも子津を保健室へと引っ張って行くことだろう。しかし幸か不幸か、周りには誰もいなかった。
熱があるわけでも、風邪を引いているわけでもない。
頭痛の原因は、自分でも大体予想がついた。
やはり、レギュラーにはなれなかった。
試合の結果から見ればそれは当然であるし、それは自分が一番良く分かっていた。
自分は足を引っ張るばかりで何も出来ず、ただ他のチームメイトたちの活躍を羨望にも似た思いで見ていた。
また、力が足りなかった。
努力が足りなかった。
みんなはとても眩しくて輝いていて、自分がその中に入るためには、努力するしかなかった。
だから自分なりにも頑張ったのだけど。
それはあっさりと打ち砕かれてしまった。
いけるかもしれない、と自負していたわけではないけれど。
それでも、ここまで通用しないとも正直思っていなかった。
それでもみんなはとても眩しくて、輝いていて。
遠くて。
頭が痛い。
喉がカラカラに乾いて、頭の奥が痺れるように熱い。
・・・・・・泣いてしまいたいのかもしれない。
でも、泣くのなんてとんでもない。
泣くことも、愚痴を言うことも悪いことだとは思わない。
だが、自分は別だ。
大した能力もない自分が愚痴を言っていいはずがない。
泣いたところでみんなはうざったく思って迷惑がるだけだろう。
だから 何も言わない。
レギュラー発表のあと、心配の色を浮べて声をかけてきた友人にも笑顔を向けた。
小さい頃からずっとそうしてきた。
感情に蓋をして、奥に閉じ込めて。絶対に表に出さない。
そうしているうちに、本当になんだか楽になっていった。
泣かない。
愚痴も言わない。
笑うこともできなくなっていったけれど。
そしたら、今度はいつの間にか作ったような仮面の笑顔が顔にへばり付くようになっていた。
痛みはだんだん薄れていって、
孤独と虚しさだけがどんどん広がっていく。
その繰り返し。
誰かに分かってもらいたいなんて思わない。
だって
この辛さも苦しみも頑張りも努力も
全部自分だけのもので 自分のためのものだから。
いつもそう 言い聞かせてるんだ。
それでいいんだ。
押し込めて押し込めて押し込めて隠して押し込めて閉じ込めて鍵を掛けて。
泣かないし愚痴も言わないし頑張ることも決してやめない、けれど。
どうか、どうか。
だれか気付いて。
終
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最後の無駄に多い空白はひとことだけのシメな(?)言葉が隠されてたり。
子津くん本当大好きです。
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