あなたがいないと、
求める明日なんて。
+残光エデン+
忘れないでいること。
相手の想いも生きていた『証』も
すべてを背負って生きてやること。
「…それだけやないか、死んで行った奴らに俺たちができることなんて」
「…一年前のことを…?」
「俺は忘れたことはあらへん。…特に、」
自分がこの手で殺したもんのことは。
そう言って、川田は右の拳をぎゅっと握り締める。
「俺が殺したことも全部消さずに、覚えとる。 人を、大事な仲間を殺したことを…俺はずっと背負ってくんや」
「………じゃあ、」
「?」
「じゃあ俺。 川田に殺されたい」
「な、」
「俺を殺したら、川田は全部背負ってくれんだろ? 俺のこと絶対忘れないんだろ? それいいよ、すごく」
「馬ッ鹿か、お前は!!」
そう言って怒鳴ったのは、
その後とても哀しそうな顔をしていたのは、
どんな感情からだった?
それが知りたかった。
自分が消えることで彼が涙を零すのを見るためなら、
死ぬのも悪くないと 思った。
でも
結局、死んだのは、『俺』じゃなくて。
「俺殺して全部背負ってくれるんじゃなかったのかよ…」
深い、深い哀しみ。
哀しみはいつか癒えるものだと言う、
でも
ここにはそれ以外の、
それを超越した何かが あって。
「哀しみが時間が経っていつか消えるなら、俺はお前のこともいつか忘れちまうのかな?」
「…だったら、」
―――俺が殺せばよかった。
すべて背負って、忘れないために。
笑顔というにはあまりに歪んだ表情で。
七原は川田の額からバンダナを外し、もう動かないその身体を愛おしげに抱き締めた。
終
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終
04/02/26
…なんか。すみません^^^
でもこういうのが好きなんです。
2を観ると、川七が余計に触発されちゃいましたよー。大好き。
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