ねえ、どっち?
+selection+
「姐さん姐さん!!」
「なんだコン?」
にこにこしながら自分の後を付いて来て、名前を呼ぶぬいぐるみにルキアが振り向く。
「おいルキア」
「なんだ一護?」
その直後に自分の前を歩いていた一護に声を掛けられる。
ルキアは苦笑混じりに後ろに向けていた首を前へと戻した。
「別に」
ルキアの顔を見るなり、一護がすぐに目を逸らしながら無粋な声で言う。
そんな様子にルキアは「?」首を傾げると、再び歩き始める。
「だから姐さんってば!俺を無視しねえで下さいって!!」
「ああ、そうだったな。なんだコン?」
ルキアがコンの声に苦笑しながら振り返ると
「おいルキア」
またしても前を歩く一護に名を呼ばれる。
「?なんだ一護?」
再びルキアが一護へと顔を向けると、一護はまた「別に」と。すぐにブラウンの目を逸らす。
「・・・?一体何なのだ」
ますますもって分からない、
ルキアが訝しげに首を傾げる。
そして一護の後ろをルキアはまた歩き始める。
「だァから、姐さんッ!」
「あ、ああ・・・すまんなコン;なんだ?」
青筋立てたコンにルキアが苦笑しながら三度目振り返る。
「もう・・・姐さんが振り向いてくれないから忘れちゃったっすよ」
「どーせ大した用じゃねぇんだろが。この色ボケぬいぐるみが」
前から掛けられた一護の皮肉に、コンが反抗して言い合いを始める。
ルキアはそれに更に苦笑しながらもまた歩き続ける。
「あ・・・そうだった!実はですね姐さん」
ふと思い出したようにルキアをまた呼ぶコン
「思い出したか?なんだコン」
そしてコンの言葉にルキアが振り返ると
「おいルキア」
「?なんだ・・・」
「ッだーーーなんだなんだよさっきから一護はッ!!」
ついにコンが大声で抗議し始める。
「・・・何か用か一護?」
それに苦笑しながらもルキアが一護に尋ねる。
後ろでは未だギャーギャーとコンがわめいていて。
「別に何でも」
一護が今度は前を向いたまま声だけを遣してくる。
その口元に確信めいた微かな笑みが浮かんでいる事を知っているのは
たぶんコンだけ。
終
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この三人組大好きなんです。
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