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 想い合いたいに決まってる








  + 永遠 +








「愛するのと愛されるのってどっちが良いですかね?」

 いつも突然、突拍子もないことを訊いてくる。
 カノンはもう慣れた、とでも言いたげな表情で声のした方に首を曲げた。

 訊いてくる、というよりは独り言のようで。
 でも返事がかえってこなければ怒るあたり、返答を求めているのだろう。
「どっちだろうね」
 カノンはもう慣れた、とでも言いたげな表情で頷いた。


「カノンさんは永遠を望みますか?」
「永遠て? 君との?」
 口の中で笑いながら、カノンが どうだろう と首を傾げた。
「そりゃ、今すぐ終わっちゃうものよりは、ずっと続くものの方が良いさ」


 少なくとも、今は 君が好きなら。



「愛することって、少なくとも自分が愛することを止めるまでは続くじゃないですか」
「うん」
「でも愛されることって、その続くか止まるかって、相手に委ねられるじゃないですか」
「うん…」
「不安じゃないですか」
「いま 不安なの?」
「…………………」



 彼女なら
 差し出せるものは全て差し出すだろう。
 そしてそれが普通の人では多少無茶だと思えるものでも 与えることができて。
 だから愛することには自信があるのだろうけど。



 ひとをしんじる、



 それが何より得意で
 何より それが彼女のすべてで



 それなのにこうも不安を与えるなど、






「ひよのさん、愛してるよ」

 笑って言う。

 与えるものの 笑み。



「……………私、も」

「おっと、いらないよ」
 笑って遮る。

 与えるものだけの 笑み。



「君には愛させてあげない」






 愛し止むまでは愛せばいい。
 なんて気楽。





 言葉というもっとも無力なものを持ってして、
 中途半端な安心を与え続け、
 不安はずっと消え去ることはなく、
 こうして続いて行く。



 自分では耐え切れないだろう不安。
 与える側ならこうも毅然といられるのに。


















 終









どうも誰かに想われるのは肩身が狭くてしょうがないね
旅の空から勝手に想う そんな方が気楽で幸せってもんさ

BY:奥井亜紀



すみませ…(滝汗)
なんかキモいね。(死)