01


 あの瞬間から、時間は止まったまま。








  + はじめまして +








「はじめまして、って、良い言葉だと思いませんか?」
「どうしたの、急に…」

 突発的にものを言い出す癖のあるひよのに、既にそれは理解済なカノンが笑いながら尋ねる。

「Nice to meet you. はじめまして。 短い言葉ですが、色々な気持ちが込められてるじゃないですか。」
「たとえば?」
「よろしくお願いします。」
「まぁ、そうだね」
「どうぞ仲良くしてくださいね」
「うん」
「これからも長い付き合いになるかもしれませんね」
「うん」
「あなたのことをたくさん教えてくださいね」
「うん」
「あなたと会えて良かったです」
「うん…?」
「あなたに少なからず好意を抱いてますよ」
「……うん。 どうしたの?告白?」

 首を傾げて笑うカノンに、ひよのが肩を竦める。

「初めて会ったときのこと、覚えてますか?」
「あぁ…歩くんを脅しにきたとき、横にいたよね」
「やっぱそんなもんなんですよねー」
 はぁ、と盛大なため息をついてひよのが項垂れる。

「そういうひよのさんこそ、僕の第一印象はそんなに良くなかっただろう?」
「第一印象だけではありませんが、そうですね」
「あはは。 で?ハジメマシテがどうしたの?」
「はじめましてを交わすような会い方をしたかったなぁと、思ったんですよ」
「――」
 何気ない風に言ったひよのに、カノンが少し驚いたように目を見開いた。


「でもまぁ、普通に無理な注文ですね」
「そうだね。でも……ひよのさんは僕になんだかんだ言ってよろしくしてくれてるよ」
「そんなことはありませんよ」
「んで僕達って結構仲良いと思うけど」
「どうだか」
「結構長い付き合いになりそうじゃない?」
「さぁどうでしょう」
「僕のこと痛いくらい知ってるだろ?」
「あなたがイタい人ってことは知ってますね」
「会えて良かった?」
「今はナンとも」
「僕に少なからず好意は抱いてる?」
「それは全然ですね」
「あはは、僕も」
「…それはなんだかムッとしますね」
「僕も。」
「何が言いたいんですか」
「じゃ願望ってことで。仲良くなりたい、これからも長い付き合いでいたい、お互いを知りたい、会えて良かったと思いたい、大いに好意を抱きたい」

「…嘘もありですね」
「そう。その方が気楽だろ」
「同意してあげましょう」
「それじゃ、言っとく?」
「えぇ」




 カノンの愉しげな瞳、ひよのの呆れたような瞳。
 見合わせて、きっかり三秒。




「「はじめまして」」











「…うーん…。なんか私のイメージなはじめましてと違うんですが。だいぶ」
「そういうもんだよ」
「なんかすごく嬉しそうじゃありません?」
「そりゃ、すっごく嬉しいよ」
「??」
「だって、ねぇ」

 そう言って、嬉しさを隠しきれない、といったようにカノンがくすくすと笑う。
 ひよのはわけがわからない、と首を傾げるばかり。




『はじめましてを交わすような会い方をしたかったなぁと、思ったんですよ』




「Out of consideration for this word, I'm admitted to have begun to be attracted by you.」

「…は?」
 ひよのが目を丸くする。
 そんな様子を見て、カノンはますます満面に笑みを浮かべるだけ。
「まぁ、とにかく僕がすごく喜んでるってことだけ、覚えておいて」
「……なんか癪ですねぇ」
「いつもはキミに敵わないのは僕なんだから。今日くらいいいだろ」
「ま、そうですね。」
 そう言って、ひよのも諦めたように笑う。










 目の前にいる人間とただ笑い会える。
 それが一番大事で

 一番難しいことだと



 人は何度思い知って




 一体何度忘れてしまうのだろう。



 今日もきっと。
 そんな幸せなひととき。


















 終











…。すみませ…
ただ弱っちいだけじゃないカノンさんをたまには書いてみようかなと。(汗)
あとカノンさんに英語喋って欲しかっただけ。(爆)さぁ何て言ってるでしょー(おい)
恥ずかしすぎて書けないンだよ!!!(逆ギレ)
最初は英語じゃなくフツーに日本語だったのですが、あまりの恥ずかしさ(むしろキモさ)に断念してしまいました。
どーーしても知りたいお方は言ってください。恥ずかしいだけなので別に内緒ではありませんので。(笑)
…うっぎゃーホント読んでて鳥肌!!(滝汗)恥ずかっスィーー!!!!!
すみません逃げます。